FUJIFILMのレンズの中でも単焦点並みの描写を誇るズームレンズ、XF16-55mmF2.8 R LM WR。
今回はこのXF16-55mmF2.8 R LM WRの特長、使ってみた感想、加えて実際にこのレンズで撮影した作例も掲載しています。
購入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください!
主な仕様
発売日 | 2015年2月26日 |
定価 | 198,500円 |
レンズタイプ | 標準ズーム |
レンズ構成 | 12群17枚 |
焦点距離 | 16~55 mm |
最短撮影距離 | 0.3m |
開放F値 | F2.8 |
羽根枚数 | 7枚(円形絞り) |
フィルター径 | ø77mm |
最大径 x 長さ | ø83.3mm x 106mm(W端) ø83.3mm x 129.5mm(T端) |
質量 | 655g |
発売日は2015年と比較的古いレンズ。実売価格は新品で約140,000円、中古で約110,000円です(2023年5月時点)。
価格を見ると、決して安いレンズではないですね。
レンズ名にもある「R LM WR」という表記はそれぞれ以下のような意味です。
- R … 絞りリング付き
- LM…静音、高速、省電力なオートフォーカスを実現するリニアモーター内蔵
- WR…防塵・防滴仕様
またこのレンズはFUJIFILM Xマウントレンズの「レッドバッチズームレンズ」に分類されます。その名の通り、赤い印がレンズについているのがわかりますね。
この印が意味するのは「圧倒的な描写性能と機動力を誇る最高級のレンズシリーズ」です。その描写性能は単焦点レンズに匹敵するほど。
後半でさらに作例を掲載していますので、その描写性能を確かめていただければと思います。
外見
大口径標準ズームレンズというだけあって、レンズ自体結構大きいです。フィルター径もφ77。そしてそれなりの重量もあります。
X-TやX-Hシリーズの比較的大きめなボディとマッチしやすいですね。
特長
XF16-55mmF2.8 R LM WRの特長は主に次の5つです。
XF16-55mmF2.8 R LM WRの特長
- 全域F2.8の通し
- 広角側が16mm
- AFが高速
- 防塵・防滴仕様
- ズームレンズとは思えない圧倒的描写
1. 全域F2.8の通し
ズームレンズの場合広角側と望遠側でF値が異なることが多いですが、XF16-55mmF2.8 R LM WRは全域F2.8となっています。
この解放F2.8通しレンズは大三元レンズと呼ばれており、FUJIFILMのみならず、各メーカーで高品質なレンズの位置付けとして取り扱われることが多いです。
大三元レンズはその名の通り3つのレンズを意味しています。広角・標準・望遠の3種類ですね。
XF16-55mmF2.8 R LM WRはその中でも「標準ズームレンズ」になります。
FUJIFILMの大三元レンズ
- 広角ズーム:XF8-16mm F2.8 R LM WR
- 標準ズーム:XF16-55mmF2.8 R LM WR
- 望遠ズーム:XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
全域F2.8なので、ボケを出しやすいのも特徴。
またズームしてもF値が変わらないので、室内や夜などの暗い場所でも扱いやすいですね。
2. 広角側が16mm
広角で16mm(35mm換算で24mm)まで引けるので、広角レンズの代わりにもなります。
私自信はこの点がかなり魅力的でしたね。自分の撮影スタイルだとあまり広角レンズを使うことがないので、10mm台の単焦点レンズを持ち合わせていません。
その分、広角を撮りたい時はこのレンズが使えます。稀に星空を撮影することがあるのですが、そのときに持っていこうかなーともくろみ中です。
ちなみに18-55mmというFUJIFILMの代表的なズームレンズも持っているのですが、こちらは18mm〜なんですよね。
広角側の2mmの差って結構大きいと思っています。画角に入らないものは、写すことができないので。
当たり前のことですが…^^;
3. AFが高速
レンズのフォーカス方式にインナーフォーカスを採用しているため、AFが高速です。
インナーフォーカスとは中間部のレンズ群を動かしてフォーカスを行うレンズ。つまり、駆動部分が少なく、中間部の軽く小さなレンズを動かすため、AF動作が早くなるというわけです。
また内部のレンズが動くため、ピント合わせ時に鏡筒が伸び縮みしません。それ故に音も静か。
加えてXF16-55mmF2.8 R LM WRは「LM(リニアモーター)」の表記が付いているので、静かで高速なAFを実現しています。
本当にAFの音が全く聞こえません。
4. 防塵・防滴仕様
防塵・防滴仕様があるとやはり安心度が違います。雨や砂埃からレンズを守ってくれますからね。
そして「雨の日になんか写真撮らないよ」という方、かなり損してます。雨の日こそカメラマンの腕の見せ所なんですよ?(誰)
標準ズームで防塵・防滴なので、どんな場所、どんな天候でもバシバシ撮れるのは良いですね。
5. ズームレンズとは思えない圧倒的描写
このレンズの最大の魅力はやはりその写りです。ズームレンズは単焦点レンズと比べると描写に見劣りしがちなのですが、このレンズはそれを感じさせません。
実際私も最近は単焦点レンズ派です。それはやはり単焦点レンズの方が描写性能が良く、さらにボケやすいからですね。
ただこのズームレンズを使ってびっくりしました。撮った写真を後から見返しても、単焦点レンズのような写りをしているのです。多分並べられてもわからないと思います。
これがレッドバッチシリーズのレンズの真価ですね。
気になる点
XF16-55mmF2.8 R LM WRの気になる点を挙げるとすると、以下の4つです。
- 重量感がある
- 大きい
- 手ぶれ補正がない
- 価格が高い
1. 重量感がある
重量感があります。約655gです。350mlの缶ビール2本弱です。
自分もこのレンズを購入した際「さて、届いたぞ〜!!どれどれ……重ッッ!」となりました。笑
重量感=高級感にも繋がる部分もあるので、一概にデメリットとは言えませんが、見た目に反して重いです。
ただ普段望遠レンズを使ってらっしゃる方からすると「軽い方」とのこと。望遠レンズ、どんだけ重いんだ…笑
2. 大きい
16-55mmの画角にしては結構大きいです。大口径レンズなので仕方ない部分もありますが。
実際XF18-55mmと比べてもこれだけの違い↓
ただこの大きさはX-TシリーズやX-Hシリーズとバランスが取れてる気がします。特にX-H2とかには最適なレンズかと。
3. 手ぶれ補正がない
レンズ内に手ぶれ補正機能がありません。
昼間の撮影ならさほど問題はないと思いますが、夜景などを手持ちで撮影するには少し心許ないかもしれないです。
カメラ本体に手ぶれ補正機能が備わってると安心ですね。
4. 価格が高い
高品質なレンズなので、やはり価格が高いです。中古でも10万は超えています。
ただFUJIFILMの大三元レンズの中では一番安く、オススメしたいレンズですね。標準ズームなので、使いやすさもあります。
XF16-55mmF2.8 R LM WRの作例
私が実際にXF16-55mmF2.8 R LM WRを使って撮影した写真をご紹介します。
使用カメラはX-T5。フィルムシミュレーションはクラシックネガです。
デメリットを払拭するほど、かなり高画質な写りですね。実際これ一本あれば単焦点レンズがいらないのでは…とも思ったりします。
一本持っているとかなり万能に使えるズームレンズです!
コメント