FUJIFILMの単焦点レンズ中で「23mm」と比較的広角の焦点距離を持つXF23mmF1.4R。
今回はこのXF23mmF1.4 Rの特長、使ってみた感想、そして実際にこのレンズで撮影した作例も掲載しています。
また同じ画角である「XF23mmF2 R WR」「XF23mmF1.4 R LM WR」との比較も含めて特徴を解説。
購入を検討されてる方はぜひ参考にしてみてください!
主な仕様
発売日 | 2013年10月12日 |
定価 | 124,000円 |
レンズタイプ | 単焦点 |
レンズ構成 | 8群11枚 |
焦点距離 | 23 mm |
最短撮影距離 | 0.28 m |
開放F値 | F1.4 |
羽根枚数 | 7枚(円形絞り) |
フィルター径 | 62mm |
最大径 x 長さ | 72 x 63 mm |
質量 | 300 g |
発売日は2013年と比較的古いレンズ。実売価格は新品で約75,000円、中古で約50,000円程です(2023年1月時点)。
発売から約10年ほど経っているため、現在は後継の同画角レンズ「XF23mmF2 R WR」「XF23mmF1.4 R LM WR」が存在しています。これらのレンズとの比較については記事後半で詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
外見
大口径レンズですが、レンズ本体はそこまで大きくありません。サイズ的にも男性の手の中にちょうど収まるくらい。
外装はメタル製。高級感があって良いですね。
花形のフードはレンズに付属されています。
花形フードは覆う範囲が広く実用性は高いのですが、自分はXF23mmF1.4R専用の角形フードを装着中。
角形フードはアルミで出来ているため、付属のプラスチックの花形フードより質感や見た目がカッコイイです。
ただ「XF23mmF1.4R」用の純正角型レンズフードが現在はあまり新品で出回っておらず、価格も高くなっている印象です。
そのため、中古で購入するか、下記のような互換性のあるフードを選ぶのもアリかなと思います。
特長
XF23mmF1.4Rの特長は主に次の5つです。
XF23mmF1.4Rの特長
- F1.4の解放F値
- 23mmという汎用性の高い画角
- MFのクラッチ機能
- 表現力に長けた描写
- 別売りの角形フードがカッコイイ
1. F1.4の解放F値
単焦点レンズに求めるものとして、解放F値の低さがあります。
XF23mmF1.4Rは解放F値が1.4のため、暗い場所での性能を発揮し、さらにボケの描写にも強いです。
広角なレンズなので「すごいボケる」という作風にはなりにくいですが、被写体に寄ればしっかり前後はボケます。
解放F値の低さはそれだけ撮影のバリエーションが広がるということに直結するので、F1.4は納得のF値です。
2. 23mmという汎用性の高い画角
23mm(35mm換算で35mm相当)は広角気味に被写体を切り取ることができ、人の目にも近い画角です。
そのため、目の前のものを撮ったり、室内撮影、テーブルフォトなどにも活用できるレンズでしょう。
私自身、室内で撮影するときに使いやすい単焦点レンズが欲しくて購入しました。またスナップ撮影にもよく使いますね。
3. MFのクラッチ機能
このレンズはマニュアルフォーカスにする際、レンズのクラッチ機能を使うことができます。
フォーカスリングを引っ張るとMFになる仕様ですね。
クラッチ機能でMFに切り替えると、フォーカスリングを回すことができます。
レンズを持っている手で瞬時にMFに切り替えれるのは便利ですね。
4. 表現力に長けた描写
XF23mmF1.4Rは比較的古いレンズのため「ものすごい解像度」というレンズではないです。どちらかと言えば「表現力」に長けています。
それは解放1.4のF値もさながら、被写体を浮かび上らせるような質感出してくれます。また逆光時の光の写り方なども個人的には好きです。
表現力という意味では、フィルムシミュレーションの恩恵も大いに感じさせてくれるレンズだと思います。
また円形7枚絞り羽根の採用により、F5.6付近の絞り値でもボケが滑らかなのが特長です。
5. 別売りの角形フードがカッコイイ
レンズフードについては先述しましたが、角形フードを装着するとかなりテンションが上がります。
カメラやレンズは写りももちろん大事ですが、どうせなら見た目から気分を上げていきたいですよね。
そもそも個人的にFUJIFILMのカメラやレンズにはそんな部分を期待して購入している面があります。
気になる点
XF23mmF1.4Rの気になる点を挙げるとすると、以下の3つです。
- AFがやや遅い
- 最短撮影距離が長い
- 価格がやや高い
1. AFがやや遅い
最初のうちはオートフォーカスが少し遅いかなという印象を受けました。気にならないときは全く気になりませんが、たまに迷ってる感はあります。
また静音モータ(リニアモーター)を搭載していないため、AF時に少し「ガッ、ガッ」と音がなります。
2. 最短撮影距離が長い
最短撮影距離が長いというのは、あまり寄れないということです。
この画角の単焦点ならもうちょっと寄りたいなーと思う時がありますが、接写やマクロ撮影などには向いてません。
3. 価格がやや高い
約10年前のレンズの割には、価格があまり下がってないかなという印象があります。
それだけ魅力的なレンズという側面もありますが。
新品を買うなら、ちょっと頑張って後継機の「XF23mmF1.4 R LM WR」を購入するのもありかなと思います。
同じ画角の後継機との比較
「XF23mmF1.4R」と同じ画角である後継機「XF23mmF2 R WR」「XF23mmF1.4 R LM WR」との比較についても解説していきます。
XF23mmF2 R WR
XF23mmF2 R WRは2016年10月に発売されたレンズになります。
今回ご紹介しているXF23mmF1.4R と大きく異なる点としては以下の4点です。
- 解放F値が2.0
- AFが早い
- サイズが小さい
- 価格が安い
一言で言うと「コスパが良いレンズ」です。実売価格も新品で54,000円ほど(2023年1月時点)。
大口径レンズではないため解放F値は2.0止まりですが、その他「AFが早い」「サイズが小さい」「価格が安い」のメリットを踏まえるとコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
ただ単焦点レンズとしてF2.0の描写は「面白味に欠ける」かもしれません。
表現力を追求したい方にはあまり向いてないと思います。その反面、記録写真やスナップを撮るという用途には完全にマッチするはずです。
XF23mmF1.4 R LM WR
XF23mmF1.4 R LM WRは2022年2月に発売されたレンズになります。
今回ご紹介しているXF23mmF1.4R の上位互換と言えるレンズです。異なる点としては以下の5点。
- 防塵・防滴・耐低温構造
- AFが早い&静か
- 解像性能が向上
- 少し大きい
- 価格が高い
名称が「XF23mmF1.4R」→「XF23mmF1.4 R LM WR」となってる通りLMとWRが足されています。
- LM…静音、高速、省電力なオートフォーカスを実現するリニアモーター内蔵
- WR…防塵・防滴仕様
またAF性能や解像度もアップしており、XF23mmF1.4Rのデメリットを払拭したレンズになっています。
このレンズ自体のデメリットは、ややサイズが大きい点と、価格がそれなり高いというところですね。
ここが許容できれば間違いなくオススメのレンズです。
自分が「XF23mmF1.4R」を選んだ理由
「XF23mmF1.4R」「XF23mmF2 R WR」「XF23mmF1.4 R LM WR」の中で自分がXF23mmF1.4Rを選んだ理由としては以下の3つが挙げられます。
- 表現力を重視したかった
- コンパクトなレンズが良かった
- メインのレンズにはならないだろうと思った
表現力という意味では解放F値の低さはやはり欠かせません。
そしてこのレンズは主にX-E4につけて使おうと思っていたため、あまり頭でっかちなレンズは嫌だなと思っていました。
そして最後に、自分は中望遠〜望遠で切り取る写真が割と好きなので「23mm(換算約35mm)」はメインのレンズにならないだろう」と思い、最新の上位レンズを買うのをやめました。
このような理由で選んだのがXF23mmF1.4Rです。
XF23mmF1.4Rの作例
最後に私が実際にXF23mmF1.4R を使って撮影した写真をご紹介します。
使用カメラはX-E4。フィルムシュミレーション「クラシックネガ」もしくは「クラシッククローム」で撮影しています。
ボケを活かすために開放気味で撮りがちですが、その分表現の幅が広がるなと感じます。
街撮りするときも背景や建物にピントを合わせることで通行人の顔がボケてくれるので、かなり良いです。広角ながらも、被写体を浮かび上がらせて、他はボカすという使い方ができるレンズですね。
後継のレンズも発売され、XF23mmF1.4Rは新品で入手しにくくなりそうな気がします。
新品で購入を検討されてる方は、早めに入手しておいた方が良いかもしれません。
広角レンズは薄枠のフィルターがおすすめです。自分もコレをつけてます↓
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